アドビ株徹底解説! 未来の展望と最新事業戦略に迫る

technology 6時間目 米株紹介

*投資は、自己責任原則というルールがあります。

*ご自身の理解に応じて、適切な投資を行ってください。


はじめに

本記事では、コンピュータソフトウェアの大手企業であるアドビ株について取り上げます。アドビはデザインや文書管理、および企業向けのクラウドベースのソフトウェアを開発し、業界で圧倒的な強さを持っています。ユニティ・ソフトウェアとの競合状況やフィグマ買収による影響、事業戦略の変更などを詳しく解説します。まずはアドビの事業概要から見ていきましょう。

アドビの事業概要

software

アドビはアメリカのコンピューターソフトウェア会社で、PDFやPhotoshop、Premiere Pro、Illustratorなどの多くの有名なサービスを提供しています。事業はデジタル・メディア事業とデジタル・エクスペリエンス事業の2つに分けられ、その詳細について見ていきます。

デジタル・メディア事業

デジタル・メディア事業では、クリエイティブソフトウェアや文書管理のソリューションを提供しており、アドビの売上高の7割を占めています。これには、業界標準のクリエイティブツールであるPhotoshopやIllustratorを含む、Creative Cloud(CC)製品が含まれます。さらに、PDFを管理・編集するためのAcrobatや、デジタル署名サービスのAdobe Signなども展開しています。

デジタル・メディア事業は急速に成長し続けており、世界中のクリエイターや企業から支持されています。特に、サブスクリプションモデルの導入により、利益率が向上し、継続的な収益が期待できるようになりました。

デジタル・エクスペリエンス事業

デジタル・エクスペリエンス事業では、アドビから提供される企業向けのマーケティングや広告のソリューションが含まれています。売上高の3割を占め、Adobe Experience Cloudというブランドで展開されています。

新型コロナウイルスの影響で業績が下降傾向にあるものの、Web広告・マーケティング業界の回復が見込まれることから、今後は成長が期待されています。

アドビとユニティ・ソフトウェアとの競合関係

software development

ユニティ・ソフトウェアは、主にゲーム開発者向けの開発・課金ツールを提供している企業です。近年では徐々にアドビの市場を侵食し、競合関係が激化しています。そのため、アドビは成長鈍化を避けるために、急成長中の競合企業であるフィグマを買収することを発表しました。

アドビの成長鈍化と投資家の懸念

アドビは株価の大幅な下落を受け、投資家からの懸念が高まっています。その理由としては、フィグマ買収による成長鈍化や競合企業との価格競争があげられます。特に、フィグマ買収額が高過ぎるとの指摘もあり、アドビの成長戦略に対する疑問が投資家から寄せられています。

一方で、アドビの2022年度予想株価収益率は19倍、同予想株価売上高倍率は8倍であり、妥当な水準にあるとされています。そのため、アドビの株価は今後も上昇し続けることが期待されており、投資先としては安全性が高いと考えられます。

ユニティ・ソフトウェアの広告関連問題とゲーム市場の減速

ユニティ・ソフトウェアは広告関連の問題やゲーム市場全体の減速が懸念要素となっており、成長率は低調にとどまると予想されています。

ユニティ・ソフトウェアは赤字が続いており、競争が激しい市場でありますが、アドビとの競合を通じて広告業界やソフトウェア開発業界への影響力を拡大していく可能性が期待されています。

アドビの事業戦略の変更

business

2011年にサブスクリプションモデルに事業を変更したアドビは、その後の利益率の向上や継続的な収益を実現することに成功しました。これにより、アドビは顧客に対して柔軟なサービス提供が可能となり、その利点を享受しています。

サブスクリプション採用の成功

サブスクリプションモデルの導入によって、売上高は一時的に落ち込みましたが、2019年には利用割合が90%を超えるまでに回復しました。これにより、アドビは製品やサービスのアップデートや新機能の提供を容易にし、顧客に対する価値を高めることができました。

また、サブスクリプションモデルは利益率を高め、安定した収益を生み出すことができるため、今後もアドビにとって重要な事業戦略となるでしょう。

地域別売上高の分析

アドビの地域別売上高は、米国地域が58.2%、欧州・中東・アフリカが26.6%、アジア太平洋が15.1%であり、アジア太平洋地域のうち6.7%は日本での売上高です。これからも、アメリカや欧州・中東・アフリカ地域を中心に売上を拡大し、アジア太平洋地域でも進出を強化することで、成長を継続していくと考えられます。

アジア太平洋地域においては、日本市場だけでなく、中国やインドといった先進国・新興国での事業展開も重要となります。これらの国々では、ITインフラの整備や技術革新が続いており、アドビの製品・サービスが適用できる市場が広がっています。

アドビの株価展望と投資判断

finance

アドビの現在の株価は516.09ドルであり、近年では急上昇していました。しかし、今後の株価成長が予想されている要因や投資判断について見ていきましょう。

株価上昇の要因

アドビの株価上昇の要因として、サブスクリプション採用や高い利益率、Web広告・マーケティング需要の回復が挙げられます。これらの要素により、アドビの製品・サービスの需要は高まり続け、株価も上昇傾向にあると予想されています。

さらに、アドビはクオリティが高く、プロ編集者の間で非常に高いシェアを誇っていることから、今後も顧客基盤は安定していると言えるでしょう。

投資判断

アドビは安定した成長が予想されるため、投資先として安全性が高いとされています。ただし、配当を出していないため、配当目的での投資には向いていません。

アドビの株価は急激な成長率を超えることは難しいかもしれませんが、その分、リスクも低いと考えられます。投資家のリスク許容度や投資目的によって、アドビ株への投資の判断が変わってくるでしょう。

まとめ

アドビはデザインや文書管理、および企業向けのクラウドベースのソフトウェアの分野で圧倒的な強みを持っています。急成長中の競合企業との競争やサブスクリプション化を通じた事業戦略の変更、地域別売上高分析などを通じて今後の成長が見込まれます。投資家はアドビの現状や将来性を踏まえ、適切な投資判断を行うべきです。ただし、配当目的での投資には向いていないという点も考慮する必要があります。


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